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警察官2人が流されたとされる新庄市の新田川周辺では、水位が下がり始め、消防隊員らがひっくり返ったパトカー周辺で捜索を続けた=2024年7月26日午前10時26分、山形県新庄市、安斎耕一撮影
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 山形県と秋田県で記録的に降った大雨で、山形県警は26日午後、行方不明になっていた新庄署の警察官2人のうち、20代の男性巡査長の死亡を確認した。

 県警によると、巡査長は新庄市本合海の福田山橋から西へ約1㌔の地点で水中に沈んでいる状態で発見された。

 大雨被害の110番通報を受け、25日夜にパトカーで出動後、行方不明になっていた。

 同乗していた20代の巡査部長は依然として不明だという。

 現場には早朝から県警や消防などが集まった。朝方はパトカーの車体が半分ほど水につかるほどの水位で、捜索隊が近づけない状況が続いた。次第に水が引き、午前10時ごろから捜索を始めた。宮城、福島の両県警からも応援が駆けつけ、宮城県警のヘリが上空を何度も旋回した。

 巡査長が見つかったのは午後2時ごろ。パトカーが残されていた現場よりも約1キロ下流だった。巡査長を乗せた救急車は、サイレンを鳴らさず警察車両とともに出発。山形県警の警察官らが涙する姿も見られた。

 パトカーの周辺では、ほかに3台の乗用車が田んぼの中に落ち、道路と歩道を隔てる街路樹や電柱の間に大量の流木などが挟まっていた。近くを流れる新田川の水が、田んぼや道に流れこんだとみられる。

 近くの農業野崎香織さん(39)によると、現場の道は田んぼの中を通る一本道で、街灯は少ない。午前中までは茶色い濁流が道の上を激しく流れていたという。「まさかこの道でという感じ」

 近くの田んぼを所有する越後昭也さん(50)は「新田川は川幅が狭く、雨が降ると水位はいつも上がっていた。でも、こんなに水があふれるのは初めて。あの道路が冠水するとは思わなかった」と話した。(力丸祥子、笠井正基)

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