Smiley face
写真・図版
米ワシントンのホワイトハウスで2025年2月13日、記者会見の際に握手するインドのモディ首相(左)と米国のトランプ大統領=ロイター

 インド政府が30日発表した、2024年度(24年4月~25年3月)の実質国内総生産(GDP)の成長率は、6.5%だった。21年度以降で最も低かったが、14億人を超える世界最大の人口規模に支えられ、世界的に見てなお高い成長率を保っている。

  • モディ政権の製造業振興、成功してる? 気になるインドの五つの指標

 粗付加価値(GVA)で見た24年度の産業部門ごとの成長率は、製造業が4.5%(前年度12.3%)と伸び悩んだものの、建設業は9.4%(同10.4%)と高水準を維持した。

 国際通貨基金(IMF)によると、24年のインドの名目GDPは日本に次ぐ世界5位。ただ、世界銀行によれば、23年の1人当たり国民所得は隣国バングラデシュより低い。トランプ米政権の高関税政策で世界経済の不確実性が高まるなか、今も成長途上のインド市場は、日系など外資企業にとって引き続き魅力的な投資先となりそうだ。

 IMFは今年4月、インドのGDPは25年に約4兆1900億ドル(約603兆円)となり、日本を抜いて4位になると予測した。新興大国として自信を深める同国からは、強気の発言が相次ぐ。地元経済紙エコノミック・タイムズは27日、モディ首相が地元グジャラート州での演説で「今やインドは世界4位の経済規模だ」と発言したと報道。政府系研究機関トップなどからも同様の発言が相次ぐが、いずれもIMFの予想を元にした「先走り」の発言とみられ、その通りになるかは現時点で不明だ。

焦点となる関税・通商交渉

 インドの産業育成や経済成長…

共有