65歳以上の人口が半数を超え、2050年には人口が3分の1となるとされる高知県大豊(おおとよ)町が、まちづくりの新しい指針となる「ちいき計画」を策定した。きっかけは国の方針への違和感。町民や町職員にとって思わぬ効用があったという。
大豊町は四国山地の中央部に位置し、約9割が山林。20年時点では3252人だった人口が、50年には1016人まで減るとされている(国立社会保障・人口問題研究所の予測)。
「限界自治体」とも呼ばれるそんな町が、ちいき計画の策定に着手したのは23年度。「国が想定している方針と大豊町の実情は違う」との問題意識があったと、県中山間地域対策課の渡部康(わたなべかん)さんは振り返る。
「地域の将来像すら描けない」
渡部さんは23年4月から2…