65歳以上の人口が半数を超え、2050年には人口が3分の1となるとされる高知県大豊(おおとよ)町が、まちづくりの新しい指針となる「ちいき計画」を策定した。きっかけは国の方針への違和感。町民や町職員にとって思わぬ効用があったという。

高知県大豊町の「ちいき計画」策定経過を振り返る(左から)天坪区長の坂本和平さんと、当時町産業建設課にいた渡辺康さん、近藤瀬文さん=2025年2月27日午後1時3分、同町役場、羽賀和紀撮影

 大豊町は四国山地の中央部に位置し、約9割が山林。20年時点では3252人だった人口が、50年には1016人まで減るとされている(国立社会保障・人口問題研究所の予測)。

 「限界自治体」とも呼ばれるそんな町が、ちいき計画の策定に着手したのは23年度。「国が想定している方針と大豊町の実情は違う」との問題意識があったと、県中山間地域対策課の渡部康(わたなべかん)さんは振り返る。

「地域の将来像すら描けない」

 渡部さんは23年4月から2…

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