3月上旬のコメの店頭価格は、1年前のほぼ倍になった。米価の低迷を抜け出した農家は胸をなで下ろす一方で、消費者からは悲鳴があがる。適正な価格はいくらなのか。その参考として、農家から店頭までにかかるコストを、農林水産省の調査をもとに朝日新聞が試算した。
農家などが生産したコメは一般的に、農協などが集荷し、さらに卸売業者を経て、スーパーなどで売られる。
農水省は食品にかかるコストの価格転嫁を後押しするため、食品等流通法などの改正法案を7日に閣議決定した。これに伴い、農水省はコメの価格交渉の参考となるよう、2022年産米について、生産から小売店まで各段階の事業者へアンケートや聞き取りを行い、それぞれのコスト(玄米1キロあたり)を試算し、2月上旬に示した。
精米5キロあたりに換算すると、生産から消費者に渡るまでのコストは全国平均2007円。内訳は生産(労働費、肥料費、農機具費など)1292円、集荷(保管料、運賃など)260円、卸売り(包装容器代、運送費など)176円、小売り(人件費、水道光熱費など)279円だった。
農水省は、これらのコストについて、「22年産の数値なので、足元で流通している24年産には直接適用できない」(担当者)としている。
そこで朝日新聞は、22~2…