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埼玉県教育委員会の日吉亨教育長

 埼玉県立浦和高校で、過去に新入生に対する上級生による不適切な校歌指導があったと指摘されている問題で、県教育委員会の日吉亨教育長は14日の定例会見で、25年前までさかのぼって調査するよう同校に指示したことを明らかにした。137ある全県立高校にも、上級生から下級生に対して暴言をともなう校歌指導などの学校行事がなかったか報告を求めるという。

  • 浦和高校の校歌指導に「心病んだ」男性の訴えに「改善する」と同校

 県は2024年5月、元生徒の男性の訴えを受けて同校に聞き取り調査をした。男性は、新入生向けオリエンテーションの校歌指導で、竹刀を持った応援団員に罵声を浴びせられたショックでうつ状態になり、不登校が続いて中退したという。

 浦和高校側は、24年度の校歌指導を調査し、竹刀を持っていたことや罵声を浴びせたことを否定した。一方で、新入生を指名して一人で歌わせていたことは認めたほか、大勢の野球部員が周囲にいたことについて「多人数でプレッシャーを与えていた可能性」とし、「改善する」とした。

 県は当初、同校が「改善する」としていることを理由に、さらなる調査をしない方針だと朝日新聞の取材に説明していた。だが、朝日新聞の報道を受けて、訴えの詳細を把握したとして、方針を改めたという。

 県は、不適切な校歌指導があ…

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