長時間労働問題を背景とする公立学校教員のなり手減少を受け、文部科学省が来年度から着手する教員の処遇改善策が27日、まとまった。中央教育審議会が同日、残業代を出さない代わりに一律に上乗せ支給している教職調整額を「基本給の4%」から「10%以上」に引き上げるよう求める答申を文科相に手渡した。文科省は来年度予算案の概算要求で、調整額を現在の3倍以上の13%にすることなどを盛り込む方針。
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答申では調整額の増額のほか、多忙な学級担任向けの手当の新設を提言。教員1人当たりの担当授業時数を減らすため、小学校5、6年生で行われている教科担任制を、3、4年生に広げるなど負担軽減策も盛り込んだ。十分な休息時間確保のため、終業から翌日の始業まで最低11時間を確保する「勤務間インターバル」の導入推進も求めた。
答申は、中教審の特別部会が5月に出した「審議まとめ」を踏まえて作成。まとめの内容に加え、その後に行ったパブリックコメントで集まった約1万8千件の意見や委員らの意見を踏まえ、週あたりの授業時数を減らすため、夏休みの短縮などで授業日数を増加することを新たに例示。プール管理などの学校施設の管理は教員が必ずしも担うものではないことも加筆した。
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