フェニーチェ堺=堺市堺区

 コンサートホール「フェニーチェ堺」を運営する堺市文化振興財団は8日、元職員が約3万7千件の個人情報を抜き取り、計203人の情報をX(旧ツイッター)で流出させたと発表した。府警堺署は3日、元職員を偽計業務妨害容疑で地検堺支部に書類送検しており、財団も元職員の処分を検討しているという。

 財団によると、元職員は2020年春まで5年間勤務。退職直前の20年3月、公演チケットが購入できる財団の会員組織「sacayメイト」の情報システムから個人情報を抜き取っていた。その後もフェニーチェに出入りする業者に勤めていたため、情報システムにアクセスして財団職員や市職員らの情報を抜き取っていたとみられるという。

 22年3月、財団職員の個人情報を含んだメールが市職員や市に届き、問題が発覚。23年以降は財団職員や市職員、市議の個人情報がXで流出するケースが相次いでいた。

 財団は24年3月、東京地裁に発信者情報の開示仮処分を申し立て、IPアドレスの開示とともに、発信場所が南海堺東駅前のフリーWiFiだと判明。財団と市の職員が約2カ月張り込み、元職員が駅前で携帯電話を操作した後にXで誹謗(ひぼう)中傷が投稿されることを確認した。探偵に依頼し、証拠写真なども押さえた。

 元職員は市職員らに「財団を解体せよ」などとメールを送っていたという。財団の聞き取りにこうした内容を認め、「財団に不平不満があった」と話しているという。

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