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銭湯のようなのれんが掛かる=2024年10月24日、神奈川県葉山町の山口理容店、芳垣文子撮影

 のれんをくぐると、そこは1920(大正9)年創業の4代続く理容店だ。

 神奈川県葉山町にある「山口理容店」は、父子2人が時間帯を分けて営業している。歴史がある調度品のなかで動画配信にも取り組み、懐かしさと新しさが同居している。

 リーン、リーン。

 葉山御用邸からほど近い幹線道路沿いにある店で、昔ながらの黒電話が鳴った。

 「はい、今日はまだ午前中空いていますよ」

 電話に出たのは3代目の山口昌男さん(76)だ。

 店構えは一風変わっている。入り口にかかるのれんは「女 け 男」と書かれており、まるで銭湯のようだ。

 「夏は桶(おけ)持って入って来るおやじがいる」。ひょうひょうとした表情で昌男さんが話す。

料金表に「電髪一万二千円」 電髪って?

 店内にはいすが2台と大きな…

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