「H296 ふくろう」の内部には講義スペースがある=北海道七飯町、JR北海道提供

 JR北海道は4月から、2022年3月の福島県沖地震で脱線し営業運転できなくなった北海道新幹線の車両(H2編成)を、社員教育向けに活用することにした。客は乗せず、車両基地内を運転士の訓練などで走らせるという。

 福島・宮城両県で最大震度6強を観測したこの地震では、福島―白石蔵王駅間を走行中だった東北・北海道新幹線が17両中16両で脱線、使えなくなった。ただ、新幹線の車両は1編成あたり数十億円するため、活用法を考えていた。

 そこでJR北は、自社が持つ10両のうち6両を修理・改造。新函館北斗駅近くにある車両基地で、運転士の「現車講習」や技能試験、車掌の訓練などに使うことにした。

 愛称として、アイヌ民族の伝承で「里の守り神」、ローマ神話では知恵の神とされるフクロウにちなんだ「H296 ふくろう」と名付けた。「守り神として、知恵や経験を授ける森の賢者として活躍するように」との願いを込めたという。

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