8月30日に開幕する福島県合唱コンクールには合同チームがいくつか出場する。1校6人以上という出場条件を満たさない学校が年々増えているのだ。その一つが、喜多方高校・会津西陵高校(会津美里町)・会津若松ザベリオ学園中学高校の3校だ。
コンクールまで1週間を切った24日、3校は会津美里町役場に併設された「じげんホール」で練習をしていた。前日は喜多方高校に集まった。
現在の合唱部員は各校5~6人で合計16人。合同でコンクールに出た最初は2022年で、この年、喜多方の部員は1人だけだった。20年から始まった新型コロナ禍では練習さえ難しい状態に陥ったが、そこから何とか抜け出せたころだ。
「普通なら廃部。コロナという特殊な事情で何とか存続を許されていた」と喜多方高の高橋温仁(はるひと)教諭は振り返る。
とはいえ1人では部活動にはならない。西陵もザベリオも部員は6~7人で、単独で出場できる人数ぎりぎり。そこで3校一緒にチームをつくることにした。
以来、4度目の出場になるが、3校はコンクールの後も一緒に練習を続けてきた。合唱祭などの催しに出るのも一緒だ。
単独だと4部合唱が成り立たないことが多い。喜多方の安斎恵詞(さとし)さん(3年)は「全パートがいても、せいぜい1人か2人。それでは独りよがりになる。息をそろえて歌を完成させる喜びは、人数がいるからこそ味わえる」という。
少数ならではの良さもある。今回は喜多方の高橋教諭が指揮するが、練習では西陵の渡部亜希子教諭とザベリオの大竹健太郎教諭も助言する。
西陵の小松千冬雪(ちとせ)さん(3年)は、中学時代の合唱部の方が人数が多かった。「当たり前だけど当時、先生は1人だけ。ここでは3人の先生から力を引き出してもらえる」
出場するのは高校の部だが、ザベリオの中学生3人も参加する。中3の野地咲乃さんは一時、部活動を離れたことがあった。「学校では緊張して言いにくいことも、ここでは三つも四つも離れた先輩たちに時々会って相談できる。こんな体験なかなかできませんよね」
練習場所は3校の持ち回り。特に冬場は、保護者に車で送ってもらわないと参加が難しい生徒もいる。ザベリオの大竹教諭は「歌う喜びが各校で途切れることがないよう、保護者の協力も得ながら続けていきたい」と話している。
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第79回福島県合唱コンクールは、いわき芸術文化交流館アリオスで。30日は午前10時から小学生と高校の2部門、31日は午前9時50分から中学生と大学ユース一般の2部門がある。