トランプ米大統領は1月の第2次政権発足以来、いくつもの関税政策を連打してきた。国ごとに課す関税もあれば、特定の品目に絞ってかける関税、そしてほぼ全世界の幅広い品目に網をかけるものもある。
これまでに発動された主な関税や、各国との交渉がどうなっているのか、まとめて解説する。トランプ関税には大きく三つの種類があり、順を追ってみていこう。
1. 特定の国への関税
トランプ氏が就任後、まず手を付けたのが中国、カナダ、メキシコの3カ国への関税だ。中国で原材料がつくられ、メキシコとカナダから米国に流入しているとされる合成麻薬「フェンタニル」について、この3カ国の取り締まりが甘いというのが理由だった。
とはいえ、中国は米国にとって最大の貿易赤字国、メキシコは最大の輸入相手国だ。貿易赤字を問題視するトランプ氏にとって、表向きの理由はどうあれ、まずこの2カ国に関税をかけることは優先順位が高かったとみられる。
なお、カナダとメキシコからの一部の輸入品については、関税を免除する救済措置がとられた。
2. 品目ごとの関税
続いて導入したのが、米国が…