能登半島地震で大規模な火災が起き、一夜明けても白煙が上がる輪島朝市=2024年1月2日、石川県輪島市、朝日新聞社機から、嶋田達也撮影

 能登半島地震で発生した石川県輪島市の大規模火災を踏まえ、災害時の消火活動について検討する総務省消防庁と国土交通省による有識者会議が5日、報告書を公表した。全国の消防本部への調査で、津波警報下での活動方針など有事の消防計画が不十分な実態が分かったことから、具体的な状況を想定した消防計画の整備を提言した。

  • 「最近地震多くない?」 そう感じてしまうのは

 観光名所「輪島朝市」周辺の火災は、約4万9千メートル、約240棟が焼損し、1日午後5時23分の覚知から約24時間後に鎮火した。検討会では「揺れ」「沿岸部」「木造密集地域」という悪条件が重なったと指摘された。

 職員や消防団の施設が被災し、出動が困難▽飛び火や倒壊建物によって延焼が拡大▽断水やがれきによって一部の消火栓と防火水槽が使えない▽地盤の隆起で河川の水位が下がり取水できない▽大津波警報の発表で海岸から取水できない――といった消火活動への支障も相次いだという。

過去にも提言あったのに

 これを受けて、検討会では全…

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