牧口一二さん(右)と永六輔さん=2006年9月16日、東京都渋谷区

 欧米に比べて寄付文化が薄いとされる日本で、30年で14億円以上の寄付を集めてきた団体がある。「ゆめ風基金」(大阪市東淀川区)だ。被災した障害者を支援するため、阪神・淡路大震災が起きた1995年に発足し、故・永六輔さんら著名人を巻き込んで活動を続けてきた。いつか自分たちの存在意義がなくなるように、との願いを込めて。

 基金はJR新大阪駅のそばの雑居ビルに事務所を構える。

「10億円」目標に発足

 阪神・淡路大震災を受けて、長期的に支援できる組織をつくろうと、障害者団体や支援団体が集まって「民間障害者市民復興計画委員会」が発足した。10年間で10億円の寄付集めを目標とし、「ゆめ・風・10億円基金」を立ち上げた。

 先頭に立ったのは、障害者のための総合雑誌「そよ風のように街に出よう」の編集長だった河野秀忠さん(17年に74歳で死去)と、脳性まひのグラフィックデザイナーでNHKの番組にも障害当事者として出演していた牧口一二さん(24年に87歳で死去)だ。

「お手紙作戦」で著名人を巻き込む

 市民の関心を集めるために…

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