10日の米ニューヨーク外国為替市場で円相場が一時、約34年ぶりに1ドル=153円台まで下落したことについて、鈴木俊一財務相は11日午前、記者団に「高い緊張感を持って、動きをみている」と述べた。
鈴木氏は為替介入についての明言は避ける一方、「過度な変動は好ましくない。行き過ぎた動きに対しては、あらゆるオプションを排除することなく、適切に対応していきたい」と述べ、市場を牽制(けんせい)した。
介入を指揮する神田真人財務官も同日朝、記者団に「年初からの動きはかなりの変動幅だ」と警戒感を示した。介入については「あらゆる事態に常日頃から備えている」と述べるにとどめた。(笠井哲也)