生まれつき心臓の構造が正常と異なる先天性心疾患の手術に際して、3Dプリンターで作る心臓模型の使用が保険適用されたと、国立循環器病研究センター(国循、大阪府吹田市)が2日、発表した。模型を使った事前のシミュレーションによって、手術の精度や安全性の向上が期待される。

3Dプリンターで作った心臓模型を用いた手術のシミュレーション=2025年7月2日、大阪府吹田市の国立循環器病研究センター、藤谷和広撮影

 この心臓模型は、国循とクロスメディカル社(京都市)が開発。2023年には医療機器として承認された。

 先天性心疾患はおよそ100人に1人の割合で発症する。心臓の構造が複雑なうえ、病状もさまざまで個人差が大きく、手術の難易度は高い。

 心臓模型は患者のCT画像データをもとに、3Dプリントの技術を活用して作る。やわらかい素材で実物大のため、実際に針や糸を使って心臓の穴を閉じたり、人工血管をつないだりといった模擬手術ができる。

 国循の盤井成光・小児心臓外…

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