長崎県対馬市厳原町豆酘(つつ)の赤米神田で3日、赤米の田植えが行われた。担い手が減り、田植えが行われるのは4年ぶり。地域住民や小中学生、市赤米諮問大使で歌手の相川七瀬さんら約50人の手で、田んぼに赤米の苗が戻った。
豆酘地区では、頭仲間(とうなかま)と呼ばれる集団が赤米を栽培し、収穫した米をご神体として祀(まつ)る神事が伝承されてきた。だが担い手の減少により存続が危ぶまれており、今年度は神事を行わず、赤米を栽培することにした。
種子の継承や田んぼの維持に取り組んできた一人の太田和雄さん(78)は「昔の対馬の風景がよみがえってほしい。若い人が引き継いでくれるといいなと思う」。
有志らと雑草を刈るなど田んぼの維持に関わってきた相川さんは「休耕田を復活させて赤く染まるような風景を取り戻し、新しい祭りの形が作れたら、豆酘や対馬の財産になる」と話した。(エリアリポーター・佐藤雄二)