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竜王戦第1局で勝った藤井聡太竜王=2024年10月6日、東京都渋谷区、杉村和将撮影
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 将棋の第37期竜王戦七番勝負(読売新聞社主催)の第1局が5、6日に東京都渋谷区で指され、藤井聡太竜王(22)=名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ七冠=が挑戦者の佐々木勇気八段(30)に先勝した。第2局は19、20日に福井県あわら市で指される。

 振り駒で先手番は藤井竜王となり、両者が得意とする「角換わり」の将棋になった。後手の佐々木八段が「やってみたい形だった」という工夫を見せ、序盤から前例のない戦いに突入し、互いに長考の応酬となった。難解な中盤を経て、終盤は互いに際どい攻め合いとなったが、最後は藤井竜王が相手玉を受けのない状態に追い詰めて勝利した。

 藤井竜王は「急所がわかりづらく、一手一手非常に難しい将棋だった。第2局以降は先後が決まっての戦いになるので、それに向けてしっかり準備をしていきたい」と語った。

 佐々木八段は、2日目の開始直後から形勢を悲観していたと明かし、「1局通してずっと受け身だったのでどこかで反撃したいなと思っていたが、反撃したタイミングを誤った気がする」と話した。

 佐々木八段は「タイトル戦は初めてでしたが、楽しかった。次もがんばりたい」と笑顔を見せ、感想戦もなごやかな雰囲気だった。

 藤井竜王は今期竜王戦で4連覇をめざしている。今年度、叡王を失冠して八冠から七冠に後退したが、その後、棋聖、王位、王座の3タイトル戦で防衛した。

 一方の、佐々木八段は2010年、当時史上5番目に若い16歳1カ月でプロ入り。17年には、デビューから無敗の29連勝中だった藤井四段(当時)に勝利して話題を呼んだ。今年3月放送のNHK杯将棋トーナメントでは、決勝で藤井竜王に勝って優勝している。(杉村和将)

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