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錦鯉・長谷川雅紀さん=2025年4月11日、札幌市中央区のHTB内で、朽木誠一郎撮影
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 錦鯉・長谷川雅紀さんは、長い下積み生活を経たM―1グランプリ優勝後、国民的なお笑い芸人になった。何が転機となったのか。

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 札幌生まれ。もともとは、北海道のローカル情報番組のリポーターで、地元局で「冠番組」を持つのが夢だった。30歳の時に上京したが、その道のりは遠い。なかなか売れない。

 40歳の節目で「芸人をやめよう」と思っていた時期。2011年の「帰省なう」(HTB)で約10年ぶりに帰省した。

 久しぶりに母親に会う。ギャグを披露したが、ウケなかった。母が握ったおにぎりを食べ、泣いた。

 もう一度、がんばろう。翌年、渡辺隆さんと錦鯉を結成する。

 「それぞれ40、30歳を超え、売れるのは難しいとされる年齢。隆が飲みながらぼそっと『これでもうちょい芸人を続けられるな』と言ったのを覚えています」

 劇場中心に出番を重ね、2020年のM―1で決勝に残り、21年に優勝した。

 22年には夢だった「錦鯉が行く!のりのり散歩」(HTB)のレギュラー放送が始まった。東京を拠点に活動するが、月に1回のペースで札幌に1、2泊する。

 母親が白石区で営む居酒屋、弟や友人がすすきので経営する飲食店に顔を出すという。「そこに行けば、懐かしい顔を見られる。札幌時代にお世話になった芸人の兄さんに会うこともあります」

 若い頃は、地元愛を感じることはほとんどなかった。地元を離れて10年、20年と経ち「どんどん『いい街だな』と思うようになった」という。「街並みや、空気感というか。うまく言えないんですけど、道路が広いこととかかな」

 今年5月からは単独ライブ「バカの恩返し」公演が始まる。札幌でも開催される。タイトルは、相方の渡辺さんが考えた。「僕たちも『恩返し』なんて言える立場になったってことですよね」としみじみ振り返った。

 北海道公演は札幌市中央区の共済ホールで5月24日(土)午後5時半、25日(日)午後3時。全席指定5500円(税込み)。問い合わせ先はミュージックファン011・799・1000。

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