国の重要無形民俗文化財に指定されている「大津祭(まつり)」が、この秋初めて海外で披露されることになった。晴れの舞台はロンドン。大津祭に携わってきた関係者らは、今から期待に胸を高鳴らせている。
大津祭は天孫神社(大津市京町3丁目)の例祭。からくりを載せた豪華絢爛(けんらん)な曳山(ひきやま)13基が神社周辺を巡る「曳山巡行」が見どころで、400年近い歴史がある。大津祭曳山連盟によると、大津祭を海外で披露するのは初めて。
披露する場所は、ロンドンにある「ジャパン・ハウス」。ジャパン・ハウスは、日本の魅力を対外的に発信する拠点で、外務省が世界の3都市に設けている。ロンドンのほかには、米国のロサンゼルスとブラジルのサンパウロにある。
ジャパン・ハウスでは1年を通して、常設展示や日本の伝統工芸品の販売などを行っている。このたび、ロンドンのジャパン・ハウスが、日本の地域の魅力を伝えるイベントを募集。滋賀県の外郭団体・びわこビジターズビューローが、「ミニ・大津祭」として祭りを再現する企画を掲げて応募したところ、全国の中から選ばれたという。
披露するのは11月30日。この日は丸一日、ジャパン・ハウスを使用できる。祭りの再現は、曳山の一つ「月宮殿山(げっきゅうでんざん)」をもつ上京町の5人が担う。上京町は、ベルギー製で国の重要文化財になっている「見送り幕」を所有している。曳山を飾るもので、その縁もあって大役を担うことになった。
再現はジャパン・ハウスのホ…