Smiley face
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実家に残されていたビデオテープ=高塚しいもさん提供
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 長女9歳、次女8歳、双子で生まれた5歳の長男と次男、2歳の三男。

 母である高塚しいもさんは、5人を育てながら専門学校の教員として働いている。

 高校1年生の時に、バドミントン部の先輩と付き合い始めて、9年後に結婚。

 20年近くの付き合いだが、今も夫のことが大好きだ。

 付き合い始めて半年ほどしたころ、しいもさんの父が亡くなった。

 父は身長180センチのがっちりとした体形で、養護学校の教員だった。

 大学時代はアメリカンフットボールに打ち込んでいて、全国優勝もしているそうだ。

 元大相撲力士の小錦さんに似ていたので、家族からは「小さい小錦」と呼ばれていた。

実家には大量のビデオテープが

 しいもさんの実家には、大量のビデオテープが残されている。

 父が撮りためていたもので、再生する機器がなくて、そのままになっていた。

 「ねえ、このビデオ、ダビングできないかな?」

 母からそう聞かれても、「そうだね~」とだけ言って、手をつけずにいた。

 そんなテープの一部を、業者に頼んでダビングしてデータ化してもらうことに。

 きっかけは、父の遺影を見た双子から「じいじって、この人のこと?」と尋ねられたことだった。

 我が子たちに「じいじ」を知ってほしい。

 いや、私の「お父さん」のことを知ってほしい。

 そのために、ビデオテープを見られるようにしたい、と思った。

 手前にあった5本のテープを送って見積もりをとったところ、4本がダビング可能だという。

 急ぎの1週間仕上げで6千円ほどと、思ったよりもリーズナブル。

 すぐに注文すると、期日通りにデータが納品された。

届いたデータを再生すると

 自宅で1人になったタイミングでパソコンを開き、キッチンでデータを再生してみた。

 1本目の動画には、1997…

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