日本銀行が10日発表した生活意識に関する調査で、「5年後の物価が上がる」と答えた人の割合は83.6%となり、2019年9月以来、約5年ぶりの高さになった。製品やサービスで値上げの流れが続いており、物価高が長引くとの認識が強まっている。

 現在の物価が、1年前と比べて上がっていると答えた人は94.7%で、前回6月調査(95.0%)と同程度だった。1年前と比べて支出を増やしたもの(複数回答)を聞くと、最も多かったのが「食料品」(54.0%)で、洗剤や雑貨などの「日用品」(35.0%)が続いた。輸入物価を押し上げる円安がやや和らいだものの、依然として値上げの流れが止まっていないためだ。

 一方で、1年前と比べた暮らし向きで「ゆとりがなくなってきた」と答えた人は52.7%で、前回6月調査(55.7%)から減少した。大企業を中心に、賃上げが進んだことが影響したとみられる。

 調査は8月8日~9月3日に20歳以上を対象に全国で実施し、2159人が回答した。(神山純一)

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