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米ワシントンのホワイトハウスで2025年5月7日、記者団の前で話すトランプ大統領=AP

 トランプ米大統領は7日、ナチス・ドイツの無条件降伏から80年となることを受け、5月8日を「第2次世界大戦戦勝記念日」と宣言する布告を出した。「勝者・米国」を国内向けにアピールする試みだが、欧州戦線が終わっても太平洋戦線は3カ月以上続いた歴史をふまえていないとして反発も起きている。

 トランプ氏は布告で、欧州戦線での勝利を「世界史上、自由を擁護する勢力にとって最も英雄的な勝利の一つ」だと強調し、1945年5月8日を「長く凄惨(せいさん)で残酷な戦争の終結の始まりを告げる日」と位置づけた。記念日の制定は、当時の兵士らをたたえて感謝し、「米国と世界全体の安全と安定、繁栄、自由を守る誓いを新たにする」ものだと主張している。

 第2次大戦では45年5月7日にドイツが降伏文書に調印し、翌日に発効した。5月8日は欧州戦勝記念日とされ、この前後に欧州各地で記念式典が開かれるが、トランプ氏はホワイトハウスで記者団に「我々のおかげで連合国は勝ったのに米国は勝利を適切に祝ってこなかった」「フランスや他の国が戦勝記念日の準備をしているのをみて奇妙だと思った」などと語った。「今後は毎年祝う」とも述べたが、連邦議会の承認が必要な正式な祝日にはしない意向で、記念日は象徴的なものにとどまるようだ。

 第2次大戦の太平洋戦線は欧…

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