Smiley face
写真・図版
こどもホスピス「うみとそらのおうち」で「七五三」を祝う高松玲花ちゃん=高松愛美さん提供

 こどもホスピスをもっと早く利用しておけばよかった。5歳の長女を小児がんの一種の神経芽腫で亡くした東京都足立区の高松愛美さん(36)には後悔がある。そこは終末期を過ごすための場所ではなく、「娘の願いをかなえてくれる夢のような場所でした」。

退院した半年後「足が痛い」

 いつも笑顔いっぱいで、人懐っこい女の子。「アナ雪」のエルサが大好き――。そんな長女玲花ちゃんの病気がわかったのは2021年、2歳の時だった。股関節が痛み、発熱した。

 「ふつうの風邪かな」。近くの病院を受診したが、原因は不明。大きな病院で検査すると、医師からは「心臓の近くに影がある。もしかしたら、がんかもしれない」と伝えられた。

 検査や点滴に顔をしかめる玲花ちゃんを見るたび、愛美さんは涙をこらえきれなかった。22年3月、ひと通りの治療を受け、退院した。「5年再発しなければ完治」と説明を受けた。

 だが半年後、「足が痛い」という玲花ちゃんを病院に連れて行くと告げられた。「骨髄に神経芽腫の細胞がたくさん出ている。再発です」

 治療を再開した。腫瘍(しゅよう)が小さくなり、「よくなるかも」と思った矢先、全身に転移した。これ以上の治療方法はなく、痛くないように、楽しく過ごせるようにと考え、退院して訪問介護に切り替えた。

ためらっていたけど…生まれたとびきりの笑顔

 「れいちゃんの行きたいところに」。夫の文弥さん(37)とそう話したものの、行ける場所も、できることも限られていた。

 そこで横浜市金沢区にあるこどもホスピス「うみとそらのおうち」(うみそら)を頼った。

 以前からネットで知っていた…

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