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記者サロン「50代のロスジェネ~どうなる・どうする日本社会~」で、就職氷河期世代の参加者と向き合う雨宮処凛さん(中央)=東京都港区のSHIBAURA HOUSE、慎芝賢撮影

 作家・反貧困活動家の雨宮処凛さんをゲストに迎えて5月下旬に催した記者サロンは、忘れられない回の一つとなりました。オンラインでも後日配信する本編の後、ここだけの話ができる会を引き続き開くと、参加者が次々と手をあげ、自らの経験を語り始めました。

  • 【視聴はこちら】記者サロン「50代のロスジェネ~どうなる・どうする日本社会~」

 「(派遣先の)職場で毎日8時間、雑に扱われた」ことのしんどさ、単身で病気と闘いながら生きていく不安、長く自分たちの世代に目を向けてこなかった政治への怒り……。「50代のロスジェネ~どうなる・どうする日本社会~」と題した記者サロンの会場には、就職氷河期世代の当事者が多く集まり、涙ながらに語る場面も。お互いの話に大きくうなずき合う姿もありました。

 会場は、東京・芝浦にあるコミュニティースペース「SHIBAURA HOUSE」。東京タワーが見える見晴らしの良い5階は三面がガラス張りで、開放的な雰囲気です。伊東勝代表は「特にコロナ禍以降、人々はつながりを求めていると思う。かしこまった関係性ではなく知らない人同士が知り合う、接点となるような場にしたい」として運営しているそうです。

ゆるやかにつながる場所、求める氷河期世代

 雨宮さんは「参加者があれだけ赤裸々に自分のことを語る状況はめったにない」といい、「記者サロンという空間の安心感があったのかもしれないし、今回のような非日常な空間が可能にしたのかもしれない」と話しています。

 今回の記者サロンの参加者は「同世代とゆるやかにつながりたい」「こうやってみんなで話せる場所がもっとほしい」とも訴えていました。記者とゲスト、そして参加者同士が近い距離で対話できる試みを、これからも模索していきたいと思います。

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