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写真・図版
万国博中央口駅に止まった電車の写真と林宏祐さん=2025年5月5日、大阪府吹田市の市立千里ニュータウン情報館、滝坪潤一撮影

 55年前の大阪万博では来場者を鉄道でどのように運んだのか。大阪・関西万博の開催中に振り返る企画展「日本万国博覧会への鉄路」が、大阪府吹田市の市立千里ニュータウン情報館で開かれている。

 1970年の大阪万博で会場へのアクセスを主に担ったのは、北大阪急行(北急)と阪急千里線だった。

 北急は期間限定の「会場線」を太陽の塔に近い万国博中央口駅まで走らせ、阪急は臨時の万国博西口駅を設けた。

 企画展では、両路線の駅や電車を中心とした約60点の写真や、当初は鉄道各社が会場への乗り入れに及び腰だった理由などが紹介されている。

 北急の運行計画を示した線図(ダイヤグラム)も拡大して展示。大阪市中心部を通る地下鉄御堂筋線と相互乗り入れ運転の北急は超過密なダイヤで、日曜・休日は最短2分半間隔の毎時24本態勢で運転していた。

 大阪・関西万博が開かれている今も、会場最寄りの夢洲駅がある大阪メトロ中央線の運行は最短2分半間隔の毎時24本態勢で同じ傾向。ただ、今の中央線は6両だが、当時の北急は8両で輸送力が大きく上回るという。

 展覧会を企画した鉄道友の会京都支部会員の林宏祐さん(34)=京都府大山崎町=は「昔の方がモーレツでした。55年前の鉄道輸送のすごさを知ってほしい。当時を知る人には、記憶を呼び起こしてもらえたら」と話す。5月30日までで入場無料。

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