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管理組合の総会の開催を知らせる東京都内のマンションの住民向け広報。この管理組合の役員は、マンション管理組合の理事長ら約250人でつくる「マンション管理組合理事長勉強会」の応田治彦代表が務めている=イニシア千住曙町管理組合法人提供

 マンションの管理組合をめぐるトラブルが増えている。公益財団法人「マンション管理センター」(東京都)がマンション住民らから受けた相談のなかで、「理事長・理事会への不満」が、2023年度に332件と過去10年で最多になったという。住民同士がなぜいがみ合うのか、その実態と解決策について取材した。

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 マンションの管理に関する情報提供などをしている同センターでは、相談内容の事例を一部紹介している。この10年間では「修繕工事を独断で発注した」「総会議事録を勝手に修正していた」など、理事長らがマンション管理を私物化する深刻な事例もみられた。

 一方で、感情的な対立も目立つ。例えば、理事長に関しては「自分では何も考えない」という不満や、逆に「1人で決めてしまう」などの相談が寄せられた。理事会についても「理事長の専横に他の理事は何も言わない」「理事の1人が理事会を牛耳っている」などのケースがあった。

「荒れるか荒れないかの両極端」 背景には、なり手不足や無関心

 管理組合についての相談件数が増えていることについて、センターの担当者は「役員のなり手不足や組合運営への無関心といった問題があるのではないか」と話す。知識や関心のない人が輪番で役員に就いたり、長年同じ人が担ったりすることが不満につながっている可能性があるという。

 マンション管理組合の理事長ら約250人で情報交換する「マンション管理組合理事長勉強会」(RJC48)の代表で、マンション管理士の応田治彦さんによると、不満が如実に表れるのが年1回の総会の場だという。「荒れるか荒れないかの両極端。特定の住民が演説を続け、総会屋のようになることもある」

 例えば、関東地方のあるマンションでは、管理費を安くするために管理会社を入れ替えるか否かを決める総会が開かれ、「原案通り可決」するまでに約6時間かかったという。

役員や住民はどうすればいいのか。記事後半では応田治彦さんがそれぞれにアドバイスをしています。

 なぜ、荒れるのか。

 背景には、役員と住民の間に…

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