Smiley face
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 岐阜県神戸町の福山美智子さん(77)は、夫の退職後は国内外へ旅行に出かけるのを楽しみにしていた。趣味の刺繡(ししゅう)でも創作意欲にあふれていた。だが、現実は13年超にわたる病魔との闘いだった。

 ギラン・バレー症候群。日本WHO協会などによると、自己の免疫システムが末梢(まっしょう)神経を攻撃する病気で、人口10万人あたり年間0.4~4.0人の発生率を持つまれな疾患とされる。

 2011年5月に発症した福山さんは、ほぼ全身がまひする重症に分類された。ある朝、立てないことに違和感を覚え、近所のかかりつけ医へ。待合室にいる間に、全身が動かなくなっていった。地域の総合病院の医師がギラン・バレー症候群を疑い、岐阜大学病院に運ばれた。意識ははっきりして会話もできるものの、首から下の感覚がなく寝返りが打てなかった。

「あきらめたら終わり」 重ねたリハビリ

 「なんで自分がこんな病気に…

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