大阪市住之江区北加賀屋で3年前、築60年を超える空き家を改装した喫茶店がオープンした。その名は「ツナグ」。かつて盛んだった造船業が地域から去り、高齢化や人口減が進んだ街にあって、地域の住民らがこの店で、手作りの品やイベントを通じてつながり始めている。
交差点沿いの木造2階建て。昔ながらのガラス戸を開くと薄暗い土間があり、奥では年季の入った柱やはりが黒光りしている。
「ツナグ COFFEE&CREATE」は2022年7月、店主の木平(きのひら)涼さん(45)が開いた。住吉区出身。コーヒー専門商社などに勤務した後、専門学校の講師などを務める。
22年春、たまたまネットで見つけた元たばこ店の家屋に「ビビッときた」。将来はカフェを開きたいという希望もあり、さっそく内覧した。庭の雑草は伸び、建物は古い。
「昭和」の味わいにひきこまれた。
土地勘はなく、不安もあった…