ChatGPT(チャットGPT)のような生成AI(人工知能)の発達にあわせて注目されているのが、AI向けの半導体だ。需要拡大の期待感から、トップシェアの米エヌビディアは7月、世界で初めて時価総額が4兆ドル(約600兆円)を超えた。AIを支える半導体の秘密とは。
AI向けにはGPU(画像処理装置)と呼ばれる半導体がよく使われる。最新のAI開発には欠かせないとされ、ベルギーのシンクタンクの2022年の分析では、エヌビディア製の世界シェアは約8割にのぼる。
どんな半導体なのか。
エヌビディア日本法人の澤井理紀・シニアテクニカルマーケティングマネージャーは「AI向けの計算に含まれる膨大な足し算や掛け算を、並列処理で高速にできることが最大の特徴」と解説する。
AIは、人の脳神経のつながりをまねた「ニューラルネットワーク」というプログラムで高度な計算をする。多用されるのが、数字を縦横に組み合わせて並べた「行列」の計算だ。小規模で単純な掛け算と足し算を、ひたすら重ねていく。
通常のコンピューターで使わ…