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自宅屋上の避難タワーを背にする加藤良雄さん=三重県桑名市長島町、伊藤智章撮影
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 2階建て民家の上に、不釣り合いな鉄塔が突きだしている。

 三重県桑名市の旧長島町。レンタカー会社相談役、加藤良雄さん(77)が2011年の東日本大震災後、中古の鉄材を集めて組み立てた津波避難タワーだ。地上から高さ10メートル以上ある。

 「あの水が怖いんだよ」と語る加藤さん。約300メートル先が長良川だ。夏の日差しに水面がキラキラと光る。

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