日本高校野球連盟は2日、高校野球の公式戦に「7イニング制」を導入する可能性について検討を始めたと明かした。暑さへの対策や、肩やひじを含む選手の健康を守ることなど、幅広い視点からメリット・デメリットを整理するという。
他の競技では、大人と高校年代で試合時間が異なっているものもある。
年末年始にかけて行われるサッカーの全国高校選手権は、準々決勝までは40分ハーフで行われる。準決勝と決勝のみ、Jリーグや国際大会と同様の45分ハーフになる。
理由の一つが、短期間で大会が行われること。第102回大会は昨年12月28日に開幕し、勝ち進んだチームは今年1月8日の決勝までに5~6試合を戦う日程だった。日本サッカー協会の広報担当者は「選手の消耗などを考慮している」と説明した。7~8月に行われる全国高校総体では、暑さを考慮し、さらに短い35分ハーフで行われている。
また今年度からは比較的涼しい地域での固定開催に。男子は福島県で、女子は北海道で行われている。
同協会が主催する高校生の大会としては高円宮杯プレミアリーグもある。こちらは年間を通じたリーグ戦で「試合間隔が確保されている」ため、45分ハーフで行われている。
ラグビーの全国高校大会は、成人より10分短い30分ハーフで行われる。
国際統括団体「ワールドラグビー」の競技規則では、19歳未満の試合時間は「70分間とし、前後半のハーフは35分を超えない」などと定められている。同団体に加盟する日本ラグビー協会も、これに従って活動しているという。
会場の東大阪市花園ラグビー場は、2019年のW杯日本大会のためにナイター照明が整備された。以前は日没までに試合を終了させる必要があり、1、2回戦を25分ハーフでやった時期もあったという。「現在も2回戦まではロスタイムがないのは、その名残」と担当者は話す。(大坂尚子)