厚生労働省は5日、7月分の毎月勤労統計調査(速報)を発表し、物価の影響を考慮した働き手1人あたりの「実質賃金」は前年同月より0.5%増え、7カ月ぶりのプラスとなった。賞与(ボーナス)の大きな伸びが影響したとみられている。
労働者が実際に受け取った「名目賃金」にあたる現金給与総額は4.1%増の41万9668円で43カ月連続のプラスだった。
一方、実質賃金の計算に使う消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)が3.6%上昇し、物価高は続いている。
厚労省「うれしい誤算」
現金給与総額のうち、基本給などの所定内給与は2.5%増の27万827円だった。賞与など特別に支払われた給与は7.9%増の12万8618円と大きく伸びた。
厚労省の担当者は「物価が高い中でのプラス転換はうれしい誤算。要因は、賞与の高い伸びや物価上昇が先月よりは落ち着いたことなど。引き続き動向を注視する」と話しており、プラスが定着するかは見通せない。