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照りつける日差しのなか歩行者天国を歩く人たち=2024年7月7日午後1時20分、東京・銀座、上田幸一撮影
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 東京23区内で7月、熱中症疑いの死者が123人(速報値)いたことが東京都監察医務院への取材で分かった。前年同期比28人増で、7月の死者が100人を超えるのは2018年以来6年ぶり。救急出動も増えている。

エアコン使用していた人も14人死亡

 同医務院によると、死者123人のうち121人(98%)が屋内で亡くなった。エアコンの使用状況でみると、エアコンあるが未使用が79人と最多。エアコンなしが28人、エアコンを使用していた人も14人いた。

 死者の年代別では、40代が1人、50代が4人、60代が12人、70代が41人、80代が44人、90代以上が21人。高齢者が多かった。

 救急搬送も増え、東京消防庁によると搬送件数は7月1~28日の速報値で3647件。昨年同時期の確定値より573人増えた。

 7月の出場件数は9万1614件で、昨年同期比で2592件増加。月間として過去最多となった。今年の出場件数は7月末時点で54万2256件で、昨年同期比で2万2796件増加。過去最多となった昨年を上回るペースで増えている。

 同庁によると、東京都心で37・3度を記録し、7月1カ月間で最も気温が高かった29日には、176人が搬送された。正午過ぎには、東京都台東区内の駅の通路で70代の男性が倒れているのが見つかり、重度の熱射病の症状で搬送された。午後3時ごろには、足立区内の共同住宅の室内で60代の男性住人が倒れているのが見つかり、重度の熱中症の症状で搬送された。

 同庁は「救急車の出動が多くなれば現場への到着時間も遅れてしまう。不要不急の通報は控えてほしいが、緊急性がある場合はためらわず救急車を呼んでほしい」とし、屋内では扇風機やエアコンを使用し、のどが渇く前にこまめな水分補給を呼びかけている。(遠藤美波、長妻昭明)

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