財務省が2日に発表した2024年7~9月期の法人企業統計調査によると、金融・保険をのぞいた全産業の経常利益は前年同期比3.3%減の23兆124億円で、22年10~12月期以来の7四半期ぶりの経常減益となった。自動車業界での海外の競争の激化や、為替相場が円高の方向に進んだことなどが響き、好調が続く企業の業績に一服感が出た。
調査は、国内の資本金1千万円以上の企業が対象。金融・保険をのぞいた全産業の売上高は、値上げの効果もあって2.6%増の377兆2965億円となり、7~9月期の最高を更新した。経常利益も、減ったとはいえ、7~9月期では前年に次ぐ過去2番目の水準だ。非製造業に限ると4.6%の増益だったが、製造業が15.1%減った。牽引(けんいん)役の自動車業界で、中国での販売減や米国での費用増が響き、利益率が下がった。為替の変動による海外の資産の評価損も生じたという。
財務省は「景気がゆるやかに回復している状況が反映されているが、海外景気の下ぶれや物価上昇の影響などを今後も注視したい」(調査統計課)としている。