メディア空間考 大村美香
朝日新聞で料理レシピ欄が定番化したのは、1952年のこと。タイトルは「おそうざいのヒント」だった。91年に「料理メモ」とリニューアル、今もくらし面(日曜は「リライフ面」)に毎日掲載している。
必要があり、掲載開始当初の紙面をめくった。旬を追いかけやすい野菜と魚の料理が多い。中には「マツタケの選び方」の記事もあって驚いた。希少で高価になった今では考えられない。料理はその時代を映し出すと改めて思う。
何よりも現在との差を感じたのは、「毎日のおそうざいは、奥様の一番苦労をするところです」「祝日らしく食卓をにぎわすのが主婦の腕前」など、「料理の作り手=女性」を前提にした記述があちこちに出てくることだった。
今「料理メモ」欄が目指して…