「平和」とはどういうものでしょうか――。
ノーベル平和賞を受賞した日本被団協の代表委員・田中熙巳さん(93)が24日、講演会のため札幌市を訪れた。会に先立ち、3人の若者が田中さんと対談し、率直な疑問を投げかけた。
参加したのは、鈴木咲陽(さや)さん(16)、深沢璃音(りのん)さん(16)、前川玲奈(れいな)さん(22)の3人。札幌南高校定時制2年で、被爆者の証言をもとにした朗読劇に取り組んでいる。
田中さんの「何でも聞いて下さい」を皮切りに、語り合った。
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【高校生・鈴木】先生に誘われて朗読劇を始めました。被爆者のYouTubeを見たり、証言集を読んだりして、生の言葉にも触れています。胸を締め付けられるようなつらいものです。原爆についてほとんど知らない自分だから、YouTubeやネットで調べて一つずつ知っていかなければいけないと思っています。
すずき・さや 中学生のころにYouTubeでたまたま被爆者の証言動画を見たのがきっかけ。田中さんの大ファン。
【田中】すばらしいことだと思います。今後、関係なさそうな仕事をすることになっても、今の気持ちをずっと持って、長い人生で、やり通してくれたらうれしいです。
【高校生・鈴木】原爆は、人生にどのような影響がありましたか?
【田中】僕はそれまで軍国少年で、戦争は良いものだと、日本は良い戦争をしているのだと思っていました。
中学校に入る時は、もう戦争…