早稲田大のキャンパス。若い学生たちの中に交じっている、身長168センチとやや大柄な女性は、神庭しのぶさん(73)。資料や本がぎっしり入った肩掛けカバンを持って、快活に歩く。
神庭さんは、70歳で早稲田大教育学部の3年次に学士入学。そのまま進学し、今年4月、同大大学院生になった。
若い頃には短大、さらには四年制大学も卒業。小学校の教員として、70歳までの計43年、働いてきた。なぜ今、また学んでいるのか――。
現在の東京・奥多摩町の出身。幼少期は山菜採りや薪とりに行く生活で、学校に行って勉強することは、一番の楽しみだった。
「女性は社会に進出していかなければ」
5歳の時に両親が離婚し、母…