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筑紫野市が開示した市議会の資料

 福岡県筑紫野市議会の男性市議が、女性市議の腰や肩を繰り返し触り「もっと触りたい」と発言したり、同市議への言動を注意した別の市議に「お前ぶっ殺すぞ」と言ったりしたとして、計12件の行為がセクハラやパワハラとして市議会に認定されたことが分かった。朝日新聞の取材に男性市議は「ハラスメントと言われるようなことをした覚えはない」などと否定している。

 女性市議ら市議3人の申し立てをうけ、同市議会ハラスメント防止条例に基づき、市議会の議会運営委員会が関係者に聴取していた。

 朝日新聞の請求で開示された同委の「ハラスメントに関する調査報告書」(昨年9月19日付)によると、「(調査に対する男性市議の答弁は)ほとんどが『記憶にない』というものだったが、目撃者の存在や申立人らの記憶が鮮明であることに鑑みると、外形的事実は存在したものと認定せざるをえない」などとして、2022~24年の計12件をセクハラ・パワハラと認定した。

 同報告書は、議員名や詳細の一部が黒塗りで開示されたが、複数の関係者によると、認定されたのは無所属の田中允(まこと)市議(77)。同報告書は、①女性市議をデートに誘う②女性市議の腰、肩、頭を6回触り、注意したところ「ごめん」と謝ったあと「もっと触りたい」とささやく③議員控室で女性市議にプライベートをしつこく聞いていたとして男性市議に注意され「うるさい。お前ぶっ殺すぞ」と激高する④子どもの自殺対策について打ち合わせ中、男性市議に「お前が飛び降りて、代わりに見本を見せたらいいとたい」と語る⑤研修に向かうバスの中で子どものいない女性に「あんたは欠陥やけん」と語る――などの事例を認定した。

 田中市議は当選9回で、議長も経験している。市議長は昨年11月、同条例に基づき、田中市議に対し「意図的であったとまでは認められないものの、精神的な苦痛を与えるなどした」として書面で調査結果を真摯(しんし)に受け止めるよう注意した。

 田中市議は朝日新聞の取材に…

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