結星蓉子さん(55)=千葉県木更津市=の一人娘、里紗さんは、地元の幼稚園に通うのを心待ちにしていた。病気の影響で体は小さく、制服はぶかぶか。髪の毛も抜けてしまい、普段はウィッグをかぶっていた。
入園を前に、先生が聞いた。「ウィッグと帽子、どっちがいい?」
「ぼうし!」
蓉子さんは拍子抜けした。容姿のことで傷つくのを心配していたからだ。同時に、たくましさを感じた。
里紗さんは2歳半の時、通常の8~10倍もの速さで老いる難病「プロジェリア」と診断された。医師からは治療法はなく、長くは生きられないことを告げられた。
こんなにもいとしい存在を…