(6日、第107回全国高校野球選手権群馬大会1回戦 富岡11―1前橋西・吉井・長野原・嬬恋 7回コールド)
久しく野球部員がいなかった長野原。宮下尚之監督(26)のもとに昨年4月、入部志望が届いた。赴任3年目、本当に野球部の監督になれる日が来るとは。その志望者を「絶対逃さない」と思った。唯一の部員は、大沢俊吾(2年)。6日の群馬大会1回戦。前橋西・吉井・長野原・嬬恋の4校連合チームで背番号12を背負って臨んだ。
周囲とのコミュニケーションに苦手意識が元々あり、言葉がスムーズに出てこない。高校は少人数学級で授業を受けられる長野原を選んだ。小学生の頃から始めた大好きな野球。1人でノックを受け、打撃練習をした。宮下監督とはじっくり対話を重ね、コミュニケーションも取れるように。
1年秋の県大会は6校連合チームで参加。最初は怖さもあった。「コミュニケーションが取れるかな」。不安は消えていった。仲間が話しかけてくれて一緒に練習できるのがうれしかった。
2年になり、今回の4校連合で初めて夏の群馬大会に出場。長野原の出場は2017年以来8年ぶり。4月から週末を中心に吉井のグラウンドに集まり、練習を重ねた。
6日の試合。大沢は出場しなかったが、ベンチで給水ボトルを準備したり、バットを回収したり、サポートに徹した。試合はコールド負け。大沢は「悔しいが、それでもチームで戦えて楽しかった」。来夏に向けて挑戦は続く。
シードの利根商・桐生市商コールド発進
第107回全国高校野球選手権群馬大会(朝日新聞社、群馬県高校野球連盟主催)は6日、上毛新聞敷島球場(前橋市)、高崎市城南野球場、小倉クラッチ・スタジアム(桐生市)で1回戦8試合があった。シードの利根商と桐生市商がコールド勝ちを決めた。利根商は3人の継投で5回を無安打無失点、桐生市商は継投の島田が7連続三振を奪う好投を見せた。7日は3球場で1回戦6試合が予定されている。