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大阪地裁・高裁が入る庁舎=大阪市北区

 8歳の娘に食事を与えず入院させて共済金をだまし取ったなどとして、詐欺や暴力行為等処罰法違反などの罪に問われた母親の元パート従業員・縄田佳純被告(35)=大阪府=の公判が18日、大阪地裁(岩崎邦生裁判長)で結審した。検察側は懲役3年6カ月を求刑し、弁護側は無罪を主張した。判決は4月21日。

 縄田被告は2023年1月、3日間にわたって娘に必要な食事を与えず低血糖症で入院させ、下剤を飲ませて下痢症にさせた上、共済金14万円を得たとして起訴された。

 論告で検察側は、娘は幼児期から糖原病や低血糖症の疑いで入退院を繰り返し、縄田被告は医師から規則正しい食生活について指導されていたのに、娘に「食べないように」などと伝えていたと指摘。「多額の共済金を得るため、下剤を飲ませて入院を長期化させようとした」と主張した。

 一方、弁護側は「娘の低血糖症は持病によるもので、食事を与えなかったり下剤を飲ませたりした事実はない」と反論。受け取った共済金額は適正だったと訴えた。「検察側が頼った娘の4回にわたる司法面接での供述には変動があり、信用できない」と述べ、無罪を求めた。

 縄田被告は最終陳述で、涙を流しながら「シングルマザーだからと言われて娘が傷つくことは避けたくて、感情のままにぶつかって娘に暴言を吐いたことを謝りたい。娘のために一生懸命生きていくことを約束します」と訴えた。

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