トランプ関税をめぐる参院予算委員会の集中審議が12日あり、日米で合意した5500億ドル(約80兆円)の対米投資について、野党から懸念の声が相次いだ。「令和の不平等覚書では」(立憲民主党の高木真理氏)との指摘も出たが、赤沢亮正経済再生相は「不平等条約と呼ばれるような内容ではない」と強調した。
日米協議は7月下旬に合意し、トランプ大統領は今月4日、自動車関税を27.5%から15%に引き下げ、相互関税の税率負担を減らす特例措置を適用する大統領令を出した。それと合わせて赤沢氏とラトニック商務長官が署名したのが、日米の共同声明と、5500億ドルの対米投資に関する覚書だ。
8ページある覚書は「米国大統領は、投資委員会により推薦された中から投資先を選定する」との文言から始まる。トランプ氏に投資先を推薦する「投資委員会」が置かれ、米商務長官が議長を務める。日本は、投資委員会に助言をする「協議委員会」のメンバーとなる形だ。
この日の予算委では、この仕組みについての質問が出た。立憲の高木氏は「日本は投資先を選べない。協議委員会には入れるが、押し切られてトランプ氏まで上がってしまう可能性がある」と指摘。「投資しないと選択した場合、ペナルティーで相互関税(の税率アップ)に跳ね返ってくる。不平等では」と迫った。
それに対し赤沢氏は、出資・融資・融資保証は政府系金融機関が行うため、法令上「日本の利益になるもの以外に関わりようがない」と説明。「不平等と言われる内容ではない」と反論した。
日本維新の会の片山大介氏も…