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宇都宮大学の清水奈名子教授=2025年8月4日、海東英雄撮影

 平和学者の清水奈名子・宇都宮大学教授は、80年前の戦争を知り、記録や記憶を残していく必要性がより高まっていると言う。それはなぜか。平和のために私たちにできることは何か。

 日本も当事者であった第2次世界大戦は、少なくとも5千万人以上の死者を出したと言われ、破滅的な被害を及ぼした。二度と戦争を起こさせないためには、なぜ戦争を止められずに多くの犠牲を出したのかを知り、考える必要がある。

大戦前1930年代と今の類似性

 現代の世界情勢には、大戦前の1930年代との類似点が見られる。格差拡大により多くの国で不満が高まり、権威主義的なリーダーが出現して排外主義的な主張が支持され、民主主義への信頼が揺らいでいる。ロシアのウクライナ侵攻などで国際秩序が不安定化し、東アジアの軍事的緊張も懸念される。

 かつての大戦前と同じような…

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