米国の同時多発テロから11日で24年。ニューヨークの世界貿易センターなどの現場に出動した救急隊員らの間で、健康問題に苦しむ人がいまも増え続けている。当時、「英雄」とたたえられたが、今年発足したトランプ政権下で、そうした人々の「命綱」に暗雲が漂い始めている。
「灰の雪」降るなか活動したあの年
「あの日、友人を20人ほど失った。だが、この24年でさらに何十人もの友人を、9・11に起因するがんで失った」。ニューヨーク市消防局の救急救命士だったゲイリー・スマイリーさん(62)は語る。
2001年9月11日、危険物関連の事案が専門の隊員だったスマイリーさんは、貿易センタービルの現場に急行した。
北棟崩壊の衝撃で救急車の下…