「日本、美のるつぼ」展で展示された「吉備大臣入唐絵巻 巻第四」=2025年4月18日午後3時36分、京都市東山区の京都国立博物館、新井義顕撮影

 美術は異文化の壁を越えるのか。大阪・関西万博の開催を記念して、京都国立博物館(京都市東山区)で開かれている「日本、美のるつぼ」展(朝日新聞社など主催)は、米国・ボストン美術館が所蔵する「吉備大臣入唐絵巻(きびだいじんにっとうえまき)」(12世紀)をエピローグに展示することで、そのことを問いかけている。

 平安時代後期に描かれたこの絵巻は、奈良時代に遣唐使となった吉備真備(きびのまきび)(695~775)が主人公の物語。才能を恐れられて高楼に幽閉された真備が、唐人の出す難題に対して、鬼となった阿倍仲麻呂(あべのなかまろ)の協力を得ながら立ち向かう物語だ。

日本にあれば国宝級

 今は米国にあるが、京博の井…

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