ジムの会長で組織する日本プロボクシング協会(JPBA)と東日本ボクシング協会は20日、合同で緊急理事会を開いた。
2日にあったプロボクシングの興行に出場した2選手が試合後に急性硬膜下血腫で死去したことを受け、再発防止策を話し合った。
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日本ボクシングコミッション(JBC)の試合ルールでは、KO負けしたボクサーについて「原則90日間を経過しなければ次の試合に出場できない。ただし負傷によるTKO敗者はドクターの診断結果で、期間を短縮して許可される場合もある」と定めている。
理事会では、勝敗にかかわらず、激しいダメージを負ったと判断した選手については、90日間の試合停止を義務づけると決めた。
協会ではこれまでKO負けした選手について、60日経ってCT検査で問題がなければ、30日短縮して復帰を認めてきたという。
また、東日本協会では、興行の際に選手が会場を去るまで協会委員を滞在させることを決めた。
JPBAとJBCが12日に開いた対策委員会では、過度の脱水を伴う減量が重大事故の発生に影響している可能性を指摘。試合当日の体重が前日計量から10%以上増えた選手に対して、次戦から階級を上げるよう命ずる方針を示していた。
この対応策について、選手の間で動揺が広がったといい、柳光和博・健康管理委員長は「10%以内に(抑えようと)我慢をする選手が増え、逆に危険な試合が増える懸念がある」。加山利治・事務局長は「時間をかけて検討していきたい。すぐに決められることではない」と語った。脱水状態を調べる検査を行い、まずはデータを集めるところから始めるという。