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中国の王毅・共産党政治局員兼外相(右)と会談する岩屋毅外相(左)=2024年12月25日午前11時4分、北京の釣魚台国賓館、代表撮影
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 岩屋毅外相は25日、就任後初めて中国・北京を訪問し、李強(リーチアン)首相、王毅(ワンイー)・共産党政治局員兼外相と会談した。外相会談では、王氏の来年早期の訪日に向けて調整する考えで一致。会談後、岩屋氏は中国人向けの査証(ビザ)発給要件を緩和すると表明し、日中間の経済・人的交流の拡大をはかる考えを示した。

 外相の訪中は2023年4月の林芳正外相(当時)以来、約1年8カ月ぶり。外相会談の冒頭、王氏は「中国と日本は近隣同士だ。中日関係が安定すればアジアがさらに安定する。アジアが安定すれば、国際社会でより重要な役割を果たす」と述べた。岩屋氏は「課題と懸案を減らし、協力と連携を増やす第一歩をしるしたい」と応じた。

 外務省によると、会談では「来年の最も早い適切な時期」に王氏の訪日を実現し、その際に「ハイレベル経済対話」を開催することで一致。岩屋氏は東京電力福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出に伴い、中国が続ける日本産水産物の全面禁輸措置の撤廃を早期に実現するよう求めた。

 岩屋氏はまた、東シナ海での中国軍の活動の活発化や、中国が設置したブイの問題などについて深刻な懸念を伝え、中国側の対応を求めた。そのうえで、安全保障分野で意思疎通を深める重要性を確認し、日中安保対話の開催で一致した。

 中国人向けビザ要件の緩和は、北京で開かれた「ハイレベル人的・文化交流対話」で岩屋氏が表明。富裕層を念頭に10年間有効な観光ビザを新設するほか、観光で複数回使える数次ビザをとれば3年間自由に渡航できるようにする▽団体観光ビザの滞在可能日数を15日以内から30日以内に拡大▽65歳以上の中国人は在職証明書の提出を不要にする――などの要件緩和を実施する。

 また、外相訪中に合わせて日本政府は同日、来年4月に始まる大阪・関西万博を訪れる訪日外国人を対象に、短期滞在で1回だけ有効な一次ビザの申請手数料約3千円を免除する緩和措置を発表した。対象には中国人も含まれる。期間は来年1月13日から10月7日まで。これまで国内で万博が開かれた際にも同様の措置をとっていたという。

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