国立大が法人化され、この4月で20年。その間の国の政策やその影響について、国立大学協会の永田恭介会長(筑波大学長)に聞いた。
朝日新聞社は1~2月、学長と教職員に対し、この20年を振り返るアンケートを実施した。自由記述欄も含めた37問に、学長は全86大学の92%に当たる79人が回答。教職員は全国大学高専教職員組合の協力を得て実施し、407人から回答を得た。
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傾斜配分、グループ内で競い合い 「無理がある」
今回の調査結果をみると、学長も教職員も、国立大はこの20年で「悪い方向に進んだ」と考える人が多い。これは個別の政策の問題ではないだろう。この間に、国立大、ひいては日本の研究力が低下した事実が大きく影響していると考える。
一方で、多くの学長が20年間に悪い方向に進んだと考えていることには、運営費交付金がらみのものが多い。
国の歳出を削減した小泉構造…