Smiley face
写真・図版
ミライトリンクの中本和昭さん。各支店に食材などを届ける配送用車両の前で=2024年12月11日、奈良市四条大路5丁目、伊藤誠撮影

 「ミライトリンク」の社名からは、仕出し弁当の調理・配達が本業とはとても想像できません。2025年に就任10年を迎える若手社長の「成長を止めない」という決意のもと、地域の課題解決とビジネス展開を両立させていく「未来志向」を表しているのだそうです。

カンサイのカイシャ ここがオモロイ!

 「仕出し」と聞くと、「まとまった数で数日前には予約が必要」というイメージがあって、ややハードルが高いんですけど。「いえいえ、『1時間後に一つ持ってきて』でどうぞ」と2代目社長の中本和昭さん(44)。気軽な「出前」感覚で利用してほしいそうだ。

 創業者の父・秀典さん(70)が、奈良市ですし・割烹(かっぽう)店「甚八」を始めた当初は店舗営業だったが、席が空くのを待って行列をなすお客の声で、翌年には配達も開始。支店網を広げながら、本店は法要会館にして、同じ場所で法要と食事ができるようにした。13年のことだ。

 この時すでに、和昭さんがかかわっていた。勤めた葬祭会社や経営コンサルタント会社で得た知識やノウハウを生かした。「父は考え方が柔軟で、形にこだわらない。常に『修正ありき』です」。社長を継いだ15年は、商店から企業へと変貌(へんぼう)する転換点となった。

 社員の福利厚生や原価率の改…

共有