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 米ロサンゼルス近郊での大規模な山火事で被害を拡大させた一因と指摘されるのが空気の乾燥だ。乾燥に気候変動が影響したとも指摘されるが、世界や日本でも同じことが起きうるのか。乾燥地の植生に詳しい岡山大の吉川賢名誉教授(森林科学)に聞いた。

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広い範囲にわたって焼けた住宅地。周囲は煙に覆われ、太陽がぼんやりと見えた=2025年1月9日、カリフォルニア州アルタデナ、五十嵐大介撮影

 カリフォルニア州の海岸地域はもともと「海岸冷涼砂漠」と呼ばれる乾燥地だ。ロサンゼルスは「涼しいのにからっと晴れている」ような特殊な気候になる。

 ただ、本来1月は雨が降り始める時期だ。今回、報道によると雨が降らない時期が長びいていたといい、枯れ葉や枯れ枝が地面に大量にたまって、森林全体がパサパサになっていたのだろう。大規模火災の要因として、カリフォルニアの乾燥した「サンタアナ風」も指摘されるが、「燃料」自体が準備されていなければ火災は広がらない。

世界で山火事は増加傾向、気候変動との関連指摘

 乾期が長びく原因として考えられるのが気候変動の影響だ。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、気温上昇で干ばつのリスクが上がると指摘しており、乾期と雨期のバランスが変わってきているのだろう。

 世界的にも山火事は増え、焼…

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